有明海で52年間、漁師を続けている中田水産の三姉妹の三女として生まれた、大島理香です。
毎年春のワカメの季節になると、家族とともにワカメ漁の手伝いをしながら育ってきました。
父は、新芽を1本1本吟味して切ることに妥協を許さず、1日で終わる作業を3日かけて海苔刈り機を作るなど、職人気質な人でした。
「ワカメをもっと美味しくしたい」という情熱は、今でも誰にも真似できないと思っています。
就職して初めて、実家のわかめのおいしさを実感しました。
当たり前のように食べていたわかめが、こんなにもおいしいのは、父のこだわりがあったからこそだったのです。
わかめへの思いが強かった父は、試行錯誤を重ねながら「めかぶとろろ」を作り上げました。
商品は島原市の特産品に認定され、ふるさと納税の対象商品にもなりました。
豊洲市場や黒門市場への流通が決まった矢先に、コロナの流行が始まりました。
私の両親は美味しい商品を作ることはできても、販売に関する知識は薄かった。
しかも、私は漁師としての経験もない。
「メカブトロロ」のために投資した工場と機械はあり、生産はできても、流通させる手段がない。
もどかしい状況でした。
そこで、母や叔母に支えられながら、漁師見習いを経て、インターネット販売部門の責任者に就任しました。
現在、日々、積極的に勉強に励んでいます。
落ち込む日もありますが、有明海の穏やかな海原を眺め、その空気を吸った瞬間、元気が湧いてきます。
父の想いを感じ、有明海を大切に思い、毎日を過ごしています。
我が家では、この海で「めかぶとろろ」を作ってきました。
この貴重なふるさとの味を、日本中の皆様にお届けしたいと思います。